~ 防塵マスクについての関連記事 ~ 四日市ぜんそく
防塵マスクを着用する理由の一つに「大気汚染から身を守るため」と答える方も意外と大勢いらっしゃるのかもしれません。
そこでまずは日本の大気汚染の歴史を考えてみましょう。
1960年代、三重県四日市市で起こった四日市ぜんそくは被害が大きく、深刻な社会問題となりました。
石油化学工場から出る硫黄酸化物を含む煙により、周辺の住民に気管支炎、ぜん息に苦しむ人が多数出たのです。
燃料が石炭から石油に代わっていく時代、石炭の煙が黒いのに対して、石油の煙は黒くなく白いスモックと言われました。
四日市ぜんそくの公害訴訟は日本の四大公害訴訟と言われています。
これらの健康被害により、公害対策基本法が作られ、その後の大気汚染防止法などの布石となりました。
四日市の大気汚染の改善につながったのは原油から硫黄を除去する装置の普及と硫黄分の少ない原油の輸入でした。
現在では健康被害を起こさないための設備や教育が第一となっています。
さらに、健康被害を起こさないだけでなく、地球環境を維持するような産業のあり方が未来に向けて必要とされています。
現在、防塵マスクなど健康を守るための道具は、あくまで環境を守るための施策をしたうえで、それでもできない場合のためのものです。
環境を守るためには、防止だけでなく、環境負荷を考えて計画を立てることが大切です。
また、国内だけでなく、各国が協力できる環境対策の枠組みづくりが一層必要とされています。
環境に優しいということは人間の健康にも優しいことなのです。
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「大気汚染防止法」というのがあります。
そこで「粉じん」と称されているものは、具体的には”物の破砕や選別、たい積により発生したり、飛散する物質”のことを指します。
「粉じん」には、「特定粉じん」と「一般粉じん」があります。
「特定粉じん」は石綿(アスベスト)その他の、人の健康に被害を生ずるおそれがある物質のことです(現在は石綿を規定)。
「一般粉じん」は上記以外の粉じんのことを指します。
「特定粉じん」や「一般粉じん」を発生させてしまう施設を作る場合にはさまざまな条件が伴います。
「大気汚染防止法」によって届出、法律に決められた基準遵守、立ち入り検査など、厳しい規制がもうけられているのです。
また、「労働安全法」の問題もあります。
「労働安全法」では、仕事に伴う危険を防止する責任について定められています。
ガス、粉じん、音、振動、排気や廃液などで労働者の健康が損なわないよう、防止措置をとる義務があるのです。
また「じん肺法」では、粉じん作業に従事する労働者に対して、事業者は定期的な「健康診断」を行うことを義務付けています。
「じん肺」とは、粉じんの吸入によって肺に生じた疾病のことを指します。
ここまで読んでおわかりのように「粉じん」は労働者の健康を害するものと認識され、様々な法律で規制されています。
「粉じん作業」とは、土砂や岩石の積み下ろし、また掘削、坑内での作業、金属の溶接などのことです。
溶接作業で溶接棒が熱でとけて細かい粒子となって空気中に舞うものは粉じんとは認識されません。
そのためにも事業者はまず、労働者が粉じんを吸入してしまわないような対策を考える必要があります。
あらゆる環境改善を試みる義務があります。
散水、排気装置、除じん装置などを用いて、粉じんを少なくするなどです。
そして、そこまでしても十分とは言えない場合、防塵マスクを着用することがとても重要です。
防塵マスクは正しく装着しましょう。
それが、体を守ることにつながります。
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